皮膚科

皮膚科疾患

皮膚疾患には様々な原因があり、皮膚に異常があって生じる病気や内臓の病気から皮膚に症状が現れる場合などがあります。当院で幅広く皮膚疾患全般に対応した診療を心掛けておりますので、お困りごと等ありましたら、お気軽に来院、ご相談ください。

蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹蕁麻疹は皮膚の一部が虫刺されのように赤く盛り上がる(膨疹)皮膚疾患で、多くは強いかゆみを伴います。一つ一つの膨疹は通常は1日以内に消えますが、出たり引いたりを繰り返します。蕁麻疹のでている期間によって分類され、発症から1か月以内のものを急性蕁麻疹、それ以上経過したものを慢性蕁麻疹と呼びます。

蕁麻疹の種類と原因

蕁麻疹はよくある疾患ですが、原因が分からないことが多く70-90%は分からないと言われています。

  • 特発性:原因不明の蕁麻疹(最も多いです)
  • 物理性蕁麻疹:皮膚への摩擦や刺激、寒冷、温熱、日光、振動などで誘発される蕁麻疹
  • コリン性蕁麻疹:入浴や運動などで汗をかくことで誘発される蕁麻疹
  • 血管性浮腫:唇やまぶたなど特定の一部だけが突然腫れる蕁麻疹。かゆみがなく、消失に2、3日かかります。
  • アレルギー性蕁麻疹:特定の食品などで誘発される蕁麻疹
  • ある特定の食品摂取とその後の運動が合組み合わさった時に誘発される蕁麻疹

治療

原因を検索し避けることが大切です。しかし、原因が分からないことが多いため症状を抑える内服薬による治療が中心となります。慢性に経過する蕁麻疹では治療が長期間になることが多いです。内服薬は主に抗ヒスタミン薬を用います。その抗ヒスタミン薬にはたくさんの種類があるため、患者様にとって最も有効な内服薬を探します。同じ内服薬でも内服する時間によっても効果が変わることがあります。
まずは自分にあった薬を見つけ、症状をうまくコントロールしていくと、ほとんどの場合で内服の量を少しずつ減らすことができ(減量方法も非常に大切です)、やがては中止できるようになることが多いので、あせらず治療することが大切です。また抗ヒスタミン薬は、治癒したあとも2か月程度内服を継続した方が再発が少ないとも言われています。

ステロイドの塗り薬は多少のかゆみは軽減しますが、大きな効果は期待できません。

乾燥肌

皮脂欠乏症、ドライスキンとも呼ばれます。肌の水分量や皮脂が不足して、角質がはがれ、皮膚のバリア機能が損なわれることで様々な皮膚トラブルを起こしやすい状態です。
赤ちゃん~ご高齢の方まで誰にでも起こります。原因は、洗いすぎ・合わない洗顔料やボディーソープの使用・空気の乾燥(一般的には、冬に悪化し夏に改善する傾向にあります)・加齢に伴う皮脂分泌の低下などです。

症状

肌がカサカサする、ガサガサになる、つっぱる感じがする、ひび割れ、かゆみや痛みといった症状がでます。

治療

乾燥を引き起こすような生活習慣があれば改善が必要です。それにより再発も防ぐことができます。そして、症状、程度に応じた適切な保湿剤の塗り薬を使用します。塗り薬は、ある程度継続的に使用する必要があり、使用感も大切ですので、ご希望をしっかりとお伺いし処方させていただきます。皮膚の炎症やかゆみが強い場合は、一時的にステロイドの塗り薬が必要な場合もあります。

ニキビ

ニキビニキビは毛穴に皮脂がつまり、アクネ菌が増殖し炎症を起こしている状態で、治療が必要な疾患です。ニキビができる原因は、皮脂の過剰な分泌、皮膚の新陳代謝の乱れによる毛穴のつまり、毛穴の角化、アクネ菌の増殖、ホルモンバランスの乱れなどです。またニキビは、白ニキビ→黒ニキビ→赤ニキビ→黄ニキビ(膿んだにきび)→ニキビ痕と進行します。

白ニキビ・黒ニキビ

ニキビの初期段階が白ニキビです。皮脂がたまって毛穴がつまった状態です。
毛穴につまった皮脂が空気に触れて酸化すると黒く目立った吹き出物になり、黒ニキビ(面皰)になります。まだこの時点では炎症は伴っていません。

赤ニキビ・膿んだニキビ

アクネ菌は皮脂を好み、酸素を嫌うため面皰の中で増殖し、炎症を起こします。すると赤く盛り上がった状態となり、赤ニキビになります。痛みを感じるようになります。さらに悪化すると膿んだニキビになります。

治療

ニキビの段階に応じた治療を行います。

保険診療

外用薬
ディフェリンゲル0.1%

目に見えない極めて小さい毛穴のつまり、白ニキビ、黒ニキビに効果があります。また、長期間外用することでニキビの予防効果が期待されます。*妊娠、授乳中は使用できません*

ベピオゲル

角質を柔らかくし、新陳代謝を促進することでニキビを治療します。また殺菌作用によってアクネ菌などの細菌を殺菌しますが、抗生剤とは異なり耐性菌を作りにくいのが特徴です。

抗生物質配合の外用薬

炎症の強いニキビに対して短期間使用します。長期使用してしまうと耐性菌が出現することがあります。

内服薬
抗生物質

炎症の強いニキビが多発している場合に外用薬と併用し内服します。

漢方薬

ニキビの出来にくい体に整えていきます。お一人お一人の症状や体質、原因に応じて処方します。

自費診療

様々な治療でニキビ、ニキビ痕の改善をサポートしますので、まずは悩まずにご相談ください。

貨幣状湿疹

コイン(貨幣)のように丸く少し盛り上がったような湿疹ができ、強いかゆみを伴います。複数個できることもあります。どこにでもできますが、好発部位はすねです。比較的高齢の方におこりやすい疾患です。

原因

皮膚の乾燥が原因になることが多く、秋から冬にかけて悪化します。
その他には虫刺され、接触性皮膚炎(かぶれ)、アトピー性皮膚炎などが原因となることもあります。

治療

病変部にはステロイドの外用薬を使用しますが、乾燥が原因となっていることが多いので、病変部以外にもしっかりと保湿剤の塗り薬を使用します。保湿は再発予防にもつながります。かゆみに対して抗ヒスタミン薬の内服を行うこともあります。

脂漏性皮膚炎・脂漏性湿疹

頭や顔、胸、脇など皮脂の分泌が多い部位にできる湿疹です。赤ちゃん~ご高齢の方まで誰にでも起こり得る疾患ですが、乳児期と比較的高齢の方に多いです。生後数か月までの一時的な皮脂過剰分泌によりおこる脂漏性湿疹のことを乳児脂漏性湿疹と区別して呼び自然軽快することがほとんどです。

症状

発赤、皮むけ、軽度のかゆみなどの症状が出ます。左右対称でないことが多いです。頭皮におこるとフケのような症状になります。

原因

皮脂の多い場所に(真菌)カビの一種であるマラセチアという常在菌(通常健康な皮膚にもいる菌です)が増え、その皮脂の分解産物が皮膚を刺激することが原因です。

治療

炎症を抑えるためにステロイドの外用薬を使用します。根本的に増えすぎたマラセチアという常在菌を抑える必要があれば、抗真菌剤の外用薬を使用します。皮脂の分泌量をコントロールするためにビタミンB群の内服を併用する場合もあります。

治療後も慢性的に繰り返すことが多い疾患ではありますが、生活習慣の改善は再発予防に重要です。脂質の多い食事を控え、睡眠不足やストレスを避け規則正しい生活を心掛けてください。食事はビタミンB群を多く含む食事(ほうれん草、トマト、しじみ、牛乳など)の摂取が有効とされています。そしてアルコールやカフェイン、香辛料の過剰摂取は控えましょう。適切なシャンプーや洗顔も大切です。シャンプーや石鹸は低刺激のものを使用し清潔を心掛けてください。お顔に症状がある方は、朝晩にしっかりと泡立てた石鹸で、強くこすらないように2回洗顔をしてください。

帯状疱疹

帯状疱疹は、過去に水痘・帯状疱疹ウイルス(水ぼうそうのウイルス)に感染したことがある方に発症します。以前に水ぼうそうを経験した人、また水ぼうそうとして症状が現れなくともこのウイルスに感染したことがある人に発症する病気です。水ぼうそうが治った後も、ウイルスが体内の神経節という場所に潜伏し、加齢、ストレス、疲労などウイルスに対する抵抗力が低下すると潜伏していたウイルスが再活性化し、帯状疱疹として発症します。

症状

皮膚に神経痛のような症状が起こることが多いですが、症状には個人差があり、皮膚の違和感やかゆみ、しびれとして感じる程度から、ピリピリ、ズキズキ、チクチク、針で刺されたような鋭い痛み、焼けるような痛みまで様々です。違和感や痛みを認めて数日後にその部位に一致して発赤、小さい水ぶくれ(水疱)が帯状に現れ、次第に疼痛も強くなります。また、全身症状として、軽度の発熱や頭痛、リンパ節の腫れを認めることがあります。

症状は頭部から下肢までのどこにでも出ますが、神経の流れに沿って現れるため、基本的には身体の左右のどちらかに生じます。

注意が必要な帯状疱疹

顔面(特に鼻背から鼻のてっぺん)に出現する帯状疱疹は、眼の合併症を発症しやすく注意が必要です。また耳周囲に起こった場合は、ラムゼイ・ハント症候群といい、難聴、めまい、耳鳴り、顔面神経麻痺などを合併することがありますので同様に注意が必要です。

治療

ウイルスの増殖を防止するため抗ウイルス薬の内服を行います。また疼痛に対しての消炎鎮痛剤や末梢神経障害改善薬、皮膚外用薬などを用います。抗ウイルス薬は症状出現後、できるだけ早く内服することが大切です。治療開始後、大抵は1週間くらいで発赤や水疱が落ち着き、かさぶたができ、3-4週間で疼痛も和らぎます。

基本的には上記のように内服治療ですが、全身状態や起こる部位によっては入院による点滴加療が必要なこともあります。

帯状疱疹後神経痛について

大抵の場合は3-4週間程で疼痛が治まりますが、長期間に渡りピリピリするようなしつこい痛みが残ることがあります。これを帯状疱疹後神経痛といい、高齢の方に比較的多くみられます。帯状疱疹後神経痛は、神経節に潜伏していたウイルスの再活性化で神経が傷つくことが原因とされています。治療までに時間がかかり、炎症が強くなればなるほどこのような疼痛を長引かせてしまう可能性が高まるので、できるだけ早めの受診が大切です。

周りの人にうつしてしまうの?

帯状疱疹として周りの人にうつしてしまうことはありませんが、水痘・帯状疱疹ウイルスのワクチンを受けていなかったり、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児には水ぼうそうとしてうつしてしまうことがあるので注意が必要です。

褥瘡(床ずれ)

長時間、同じ部位が強く圧迫されると、その部位の血流が悪くなり皮膚や皮下組織が傷んでしまいます。自分で動けない寝たきりのご高齢の方に多く、できた傷の深さや色合いにより分類され、治療法も異なります。

危険因子

  • 自分で動けない
  • 病的骨突出(やせていて骨が飛び出している)
  • 低栄養状態
  • 皮膚湿潤状態(おむつなどで湿っている)
  • むくみ

好発部位

主に寝具があたる腰やかかとに出来ることが多いです。

予防

こまめな体位変換が大切です。体圧分散させるマットレスやクッションの利用も効果的です。栄養状態の悪化は褥瘡ができてしまう危険因子ですので栄養管理も大切です。また皮膚を清潔に保ち、十分な保湿をするといったスキンケアも重要になってきます。

治療

傷の状態により治療が異なります。
どの段階であっても、石鹸の泡とお湯でやさしく洗うことが大切です。その後以下の処置を行います。傷の状態は毎日観察してください。

1度:(表皮レベル、発赤している状態)

フイルムの使用や、体位変換をこまめに行います。

2度:(真皮レベル、皮膚のめくれや浅い潰瘍がある状態)

ドレッシング剤(ハイドロコロイドなど)の使用や、軟膏の塗布を行います。

3度:(皮下組織まで)

軟膏を用いた治療を行いますが、傷んだ組織を外科的に除去する必要がある場合もあります。感染にも注意が必要です。

傷が深くなれば、難治性となり治療が長期に渡ることになりますので、褥瘡は作らない、また早期発見が非常に大切です。

水虫(白癬症)

爪水虫水虫は白癬菌(はくせんきん)というカビの一種によっておこる皮膚感染症です。
この白癬菌が足の指や足の裏、爪などに感染しかゆみがでたり、皮がむけたり、ひび割れたりといった症状がでます。炎症が強くなると水疱(水ぶくれ)になることもあります。
白癬菌は高温多湿な環境を好みますので、夏に症状が悪化し、冬になると治まりやすくなります。

原因

皮膚が直接触れた場合だけでなく、家庭内や温泉施設、スポーツジムなどの足ふきマットやスリッパなどを長時間共有することで感染するケースも多くみられます。

検査

見た目だけでは確実に診断することは困難です。ピンセットなどで患部を一部採取して、白癬菌がいるか顕微鏡で検査します。当院では、外部の検査会社に検査を依頼しております。

治療

抗真菌薬の外用を行います。皮むけ、かゆみなど症状のある部位だけでなく、すべての指の間、足の裏全体にしっかりと外用することが大切です。また症状がなくなっても白癬菌が残っていることがありますので、最後まで治療しきることが大切です。一般的には4週間以上は塗り薬を継続する必要があると言われています。
炎症が強い場合や合わない抗真菌薬の外用などが原因で患部がかぶれている場合は、まずはステロイドの外用を行います。

日常生活の注意点

  • 白癬菌は皮膚内に侵入し、感染が成立するまでに最低でも24時間かかると言われていますので、皮膚表面に白癬菌が付着しても24時間以内に足をきれいに洗えば感染を防ぐことができます。(ただし傷口がある場合は12時時間程度で感染が成立すると言われていますので注意が必要です)
  • 家庭内感染を防ぐためにはスリッパやサンダルの共用は避け、足ふきマットは別にしましょう。

膠原病

膠原病とは関節リウマチがその代表的な疾患ですが、発熱、関節痛や皮膚症状や各種臓器障害など様々な症状が現れる疾患の総称です。関節リウマチ以外にも全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発筋炎、皮膚筋炎など、その他にもたくさんの疾患があります。膠原病はいずれも全身に症状が出る可能性がある疾患で専門は内科(膠原病内科)ですが、
患者様自身が気づきやすいといった点から皮膚科を受診されることも多いです。

膠原病を疑う皮膚症状

  • レイノー現象:寒さや緊張で手や足の指の血流が悪くなり真っ白や紫に変色し、その後血流が戻ると赤くなる状態のことです。
  • しもやけ:夏になっても改善しないしもやけがある場合疑います。
  • 手指潰瘍:指先に小さい傷や潰瘍ができ、難治性です。
  • 日光過敏:日に当たる顔面や手背などが赤くなりやすいです。
  • 口内炎:繰り返しできる口内炎です。痛みがある場合とない場合いずれもあります。
  • 脱毛
  • 結節性紅斑:主にひざ下に出来る痛みを伴う赤い盛り上がった発疹です。潰瘍性大腸炎やクローン病でも認めることがありあます。
  • 紫斑:圧迫しても(上から押さえても)消えない発赤です。
  • 蕁麻疹様の皮疹:じんましんのような少し盛り上がりを伴う皮疹ができますが、じんましんのようにすぐには消えないこと、消失後に色素沈着を残すことがあるなど通常の蕁麻疹とは異なる点もあります。
  • ヘリオトロープ疹:目の周りにできる赤紫色の腫れぼったい皮疹です。
  • ゴットロン徴候:手指の関節や手の甲にできる赤紫色の皮疹です。
  • 爪の変形
  • 皮膚硬化
  • 筋力低下
などです。一つ症状が当てはまるだけで必ずしも膠原病というわけではありませんが、気になる皮膚症状や微熱が続く、関節痛が続くなど心配な症状がある方はご相談ください。

手荒れ(手湿疹)

主婦や調理師、美容師など日常的に水仕事をするか方によくみられる疾患です。手の皮膚はほかの部位に比べて角質が厚く、手を外部からの刺激から守っています。しかし水や洗剤に触れる機会が多いと皮膚表面の水分や皮脂の減少から皮膚のバリア機能が低下し、刺激を受けやすくなり湿疹を生じます。もともと皮膚のバリア機能が落ちているアトピー性皮膚炎や乾燥肌の方に起こりやすいです。

症状

かさつきなど乾燥症状から始まり、皮むけ、発赤、腫脹(腫れぼったくなる)、ひび割れなどです。かゆみや痛みを伴うことも多いです。また傷が深くなると皮膚の感染症を伴うことがあります。

予防・治療

・保湿
もっとも大切なことは保湿です。保湿剤は市販のものから病院で処方されるものまでたくさんの種類があります。継続するためには使用感なども大切ですので、ご相談ください。

・ステロイドなどの外用剤
炎症やかゆみが強い場合は、一時的にステロイドの外用剤を用います。ステロイドの強さは症状に応じて変えますが、手の平は角質が厚く薬の吸収が悪いため弱めのステロイドの外用剤では十分な効果が見込めないことが多いです。吸収が悪い分副作用も出にくいのでしっかりと外用するようにしてください。

保湿はしているけどなかなか効果でないという方へ

保湿剤を塗布する量が足りていない可能性があります。軟膏やクリームなどを外用する場合、成人の人差し指の先から第一関節まで出した量が手のひら2枚分に塗れる量とされています。両手の表裏に塗布する場合はこれの2倍必要ということです。

あせも(汗疹)

汗をたくさんかいた後に、皮膚に細かい赤い発疹や水疱(みずぶくれ)が現れる皮膚疾患で、汗をかきやすい夏の時期によくみられます。症状は皮膚炎を伴いかゆみが出ることが多いです。一般的には乳幼児・小児に多い疾患ですが、大人でも通気性の悪い洋服等を着ていたり、高温多湿下ではあせもになることがあります。

原因

汗をたくさんかいた時に、汗の通り道である汗管がつまり、汗が皮膚の中に溜まってしまうことでおこります。汗をたくさんかくと皮膚表面の水分量が増え、汗や細菌が混ざって汗管を塞ぐ原因となります。

大人に比べ小児にあせもができやすい理由は、皮膚のバリア機能が未発達なことと、汗腺の数は大人と小児もほぼ同じなので、小児は大人に比べて汗腺の密度が高いためあせもを発症しやすいのです。

治療

皮膚炎を伴わず、かゆみや痛みもない場合は、発汗への対策と皮膚のバランスを整える保湿が大切です。皮膚炎を伴っている場合は、スキンケアに加え、ステロイドの外用薬を数日間使用します。

予防のために

  • 通気性がよく、汗を吸収する服(コットンなど天然繊維の服)を着用してください。
  • 汗をかいた後は、こまめに着替えたり、シャワーで洗い流すようにしてください。
  • 暑いときは、エアコンや除湿器などを使用し温度・湿度の調整をすることも有効です。
  • 皮膚のバリア機能を保つために保湿も大切です。

とびひ(伝染性膿痂疹)

小児皮膚科主に乳幼児、小児に生じる皮膚の細菌感染症です。水疱(みずぶくれ)やじくじくした表皮剥離、かさぶたがあちこちの皮膚にできます。その患部に触った手で他の場所を引っ掻いてしまうことで、他の部位にも感染が拡大していってしまいます。正式名称は伝染性膿痂疹ですが、火事の火の粉が飛び火する様子から「とびひ」と呼ばれるようになりました。稀ですが大人の方でも生じることがあります。

原因

虫刺され、ケガ、あせもなどを掻きむしることから始まることが多く、皮膚にできた傷から細菌(黄色ブドウ球菌や連鎖球菌が多い)が侵入し生じます。乾燥肌やアトピー性皮膚炎で皮膚のバリアが弱っている方はかかりやすいとされています。
黄色ブドウ球菌は鼻の中にいる常在菌なので鼻を触る癖がある乳幼児は鼻の周囲から発症したり、鼻を触った手でケガや虫刺されがある部位を触ることで発症することがあります。

治療

抗生剤(抗菌薬)内服や抗生剤の入った軟膏を塗布します。かゆみや炎症を抑えるステロイドの外用薬を併用することもあります。外用薬塗布後は、患部を引っ掻いて他の部位に感染を拡大させないためにも、その部位をガーゼで保護します。

日常生活の注意点

  • 毎日入浴し、皮膚を清潔に保ってください。
  • 手洗いはしっかり行い、爪は短く切ってください。
  • 鼻の入り口にはたくさんの細菌がついていますので、鼻を触らないようにしてください。
  • 患部をきちんと覆ってあれば、保育園や学校を休む必要はありませんが、プールは治るまで控えてください。

接触性皮膚炎(かぶれ)

原因物質が皮膚に接触することで発症する湿疹です。かゆみや痛み、腫脹(腫れ)を伴います。原因物質には触ることで誰でも症状がでる刺激性のものとアレルギー反応を引き起こすことで特定の人だけに症状がおこるものがあります。

原因

刺激によるものとしては、強酸性、強アルカリ性化学物質などの刺激の強いもの。おむつかぶれも接触性皮膚炎の一種で尿や便が細菌によって分解されてできるアンモニアの刺激により起こります。
アレルギーによるものとしては、植物、金属、化粧品、医薬品、食品など様々なものがアレルゲンとなります。また皮膚炎を起こすのに光を必要とするものもあります。

治療

ステロイドの外用薬を使用します。かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服を併用することもあります。原因物質の特定し避けることが大切ですが、原因物質の特定が困難なことも多いです。疑わしいものがある場合は、来院の際にお持ちください。

しもやけ(凍瘡)

しもやけは気温が5度ぐらいになる晩秋から冬にかけて発症します。乳幼児や小児の指先や足先、耳、頬などによくできます。患部が痛痒くなるのが特徴で、暖まるとかゆみが増します。水疱(みずぶくれ)ができたり、びらん(皮膚がめくれた状態)になることもあります。通常気温が上昇する春ごろには症状がなくなります。

治療

患部の保温と血行促進作用をもつビタミンEを含む軟膏の外用や保湿を行います。ビタミンEの内服や漢方薬を併用することもあります。炎症が強い場合はステロイドの外用薬を短期間併用することもあります。
保温と保湿は再発予防にも大切です。

注意が必要な場合

大人の方でも発症することはありますが、その中には全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群、強皮症などの膠原病の症状として現れていることがありますので、注意が必要な場合があります。

蜂窩織炎(蜂巣炎)

蜂窩織炎は皮膚の感染症の一種で、とても身近な病気です。人の皮膚の下には皮下脂肪があり、その下には筋肉が存在します。皮膚からこの皮下脂肪にかけて細菌が感染した状態を蜂窩織炎と呼びます。原因菌としては、連鎖球菌と黄色ブドウ球菌が多く、いずれも私たちの生活環境にいる菌です。

症状

感染している部位の皮膚は赤く腫れ、熱感をおび、痛みを伴います。全身症状として、発熱、悪寒、関節痛などを伴うこともあります。

こんな症状には注意が必要

  • 皮膚の色が急速に変わっていく
  • 我慢できないような強烈な痛みがあり、広がっていく
  • 水疱(みずぶくれ)が出来ている

上記の症状は、皮下組織より深いところに感染が起こっていることを示唆します。壊死性軟部組織感染症(壊死性筋膜炎、ガス壊疽)という非常に危険な病気です。救命のために感染部位を切断する必要性も出てきます。救命処置を含めた、一刻も早い治療が必要となるので、このような症状がある方は迷わず救急病院をすぐに受診してください。

原因

本来、健康な皮膚は細菌に対してバリアを持っており、細菌が皮膚に付着しても簡単に感染することはありません。しかし、このバリアが何らかの理由で破綻すると、そこから細菌が侵入し感染します。バリアが破綻してしまう理由として下記のようなことが挙げられます。

  • 皮膚に虫刺されや傷など外傷がある
  • アトピーや湿疹などがあり、皮膚のバリアが落ちている
  • 白癬症(水虫)などの感染がもともと存在する

また糖尿病やリンパ浮腫がある方は蜂窩織炎にかかりやすいです。

治療

抗生剤(抗菌薬)内服治療で軽快することがほとんどですが、重症化すると入院し点滴での抗生剤治療が必要となることがあります。疼痛や発熱があれば消炎鎮痛剤を使用します。

予防のために

再発してしまうこともありますが、予防のため下記のようなことに気をつけてください。

  • 皮膚を清潔に保つ(但し、傷がついたり、バリアが落ちるほどの洗浄はよくないです)
  • 傷は放置せずに、こまめに観察する
  • 糖尿病がある方は、しっかりと治療をする
  • リンパ浮腫が起こりやすい方はマッサージなどで、むくみの改善をはかる
  • そのほか皮膚炎や白癬症(水虫)がある方は、しっかり治療を行う

周りの人にうつしてしまうの?

蜂窩織炎は人から人へはうつりませんし、健康な皮膚へはうつりません。

外傷

ケガにも切創(切り傷)、擦過創(擦り傷)、挫創・挫滅創、刺創(刺し傷)、咬傷(咬み傷)・火傷などいろいろな種類があり、それぞれ必要な処置が異なります。

ケガをした場合、まず行うこと

  • 水道水できれいに洗ってください
  • 出血がある場合は圧迫を行ってください
  • 火傷の場合は10分以上流水で冷やしてください

*衣服を着ている場所を火傷した場合は無理に脱ごうとせずに、その上から流水で冷やしてください。無理に脱ごうとすると皮膚がはがれることがあります

土や錆びなどが傷口に入ってしまった場合は破傷風などの感染症の心配があるので、しっかりと洗浄し破傷風の予防注射や抗生剤の投与が必要になることがあります。ヒトや動物に咬まれた場合も十分な洗浄を行ったうえで、抗生剤の投与が必要な場合があります。

当院では、子供から大人までのケガの処置を行っていますが、ケガの程度が大きく手術などが必要と判断した場合は、一次処置を行い専門医療機関をご紹介させていただきます。

ケガをきれいに治す 当院では湿潤療法を取り入れております。

湿潤療法とはキズに対して「消毒液を使わない」「ガーゼを使わない」「乾燥させない」「かさぶたを作らない」を原則に行う治療法です。

キズができると、ジュクジュクした液体(浸出液)が出ます。この浸出液は、キズが治るための細胞をたくさん含んでおり、保持することが自然治癒を促進するために非常に大切です。しかし、消毒を行うと、浸出液に含まれる細胞や正常な組織が傷害されてしまいます。ガーゼで覆い乾燥させることは、この浸出液を奪い人の持つ自然治癒力を奪ってしまうことになります。湿潤療法はキズを創傷被覆材(ハイドロコロイドやプラスモイストなど)で覆い、浸出液を保持することで自然治癒力を促進します。

湿潤療法のメリット

  • キズが乾かないので痛みが出にくい
  • キズ跡が残りにくい
  • キズを治すための細胞を守るため、キズの治りが早い
  • 用いる創傷被覆材はガーゼのようにキズにくっつくことがないため、交換時の痛みが少ない

*感染の可能性があるキズなど湿潤療法の適応とならないキズもあります。

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